今回は、V-Twin MAGNA に SPADA のエンジンを載せた。
SPADAのエンジンは、MAGNA と同じHONDA250VT系のエンジンなので
比較的簡単に載せ換えが可能かと思い、そのエンジンを選らんだ。
SPADAエンジンは、サクラの友人(とやっち)から
車体ごと買い取ることにより手に入った。
(後に、このSPADA車体とマグナエンジンによりもう一台バイクが出来てしまった。)
そもそも、エンジン載せ換えの動機は
パワーが欲しかったのはもちろんであるが
最大の理由は、ドレンボルトが壊れた為である。
オイルが漏れてしまい、それを修理するくらいなら、エンジンを載せ換えようと・・・・
このレポートが、今後、エンジンの載せ換えを考えている方の
役に立てば幸いです。
エンジンを載せ換えるにあたり、場所と工具を提供していただき、
そして、適切なアドバイスをしてくださり
時には、素晴らしいテクニックで作業を手伝ってくださった
METAL SPEED の「落合さん」に、この場を借りて深く感謝の意を表します。
また、作業を手伝ってくれた「とやっち」と「右京さん」 ありがとうございました。
エンジン降ろし
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▼ MAGNA
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はじめに、エンジン左側下部にある冷却水のドレンボルトから
冷却水を抜く。
エンジン下部のオイルドレンボルトからオイルを抜く。
マフラーを外す。
タンク下脇の左右のカバーとシートを外す。
スピードメータを外し、 タンクを下ろす。
エアクリーナーを外し、エアーチャンバーの上半分(プラスチック部分)を外す。
キャブレター側のアクセルワイヤーを外し、チョークワイヤーをフレームから外す。
インシュレーター(エンジンとキャブレータ-の結合部)のバンドを緩める。
キャブレターの左側の真中に
2つのキャブレターを固定するネジ(黒のプラス)があるので、それを緩める。
そして、キャブレターを上方に引き、外す。
(キャブレータ-を外したら2つのキャブレターを固定するネジは締めておく。)
クラッチケーブルのエンジン側を外す。
バッテリーからケーブルを外した後
エンジンにつながっている電気系のケーブルと、冷却水のホースを外し
ラジエターを外す。
ドライブチェーンを弛ませ、フロントスプロケットを外し、エンジンからチェーンを外す。
イグニッションキーが邪魔になるので、外しておく。
エンジンとフレームを固定しているボルトを抜くと、 エンジンは外れます。
このときエンジンを落とさないように
クレーンで吊るか、屈強な男に持ってもらいましょう。
ボルトは後方上部の物を最後に抜くと良いでしょう。
エンジンは持ち上げて、右側に捻り出す様にして外します。
エンジンは台車の上に載せるとその後の移動が便利です。
ちなみに、エンジンの重さを測ると 42kg でした。
降ろしたMAGNAのエンジン
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▼ SPADA ▼
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MAGNAと同様に、エンジン左側下部にある冷却水のドレンボルトから
冷却水を抜く。
エンジン下部のオイルドレンボルトからオイルを抜く。
マフラーを外す。
シートと タンクを外す。
キャブレター側のアクセルワイヤーを外し、チョークワイヤーをハンドル左のスイッチボックスから外す。
インシュレーター(エンジンとキャブレータ-の結合部)のバンドを緩める。
キャブレターの右側の真中に
2つのキャブレターを固定するネジ(黒のプラス)があるので、それを緩める。
そして、エアクリーナーごとキャブレターを上方に引き、外す。
クラッチケーブルのエンジン側を外す。
バッテリーからケーブルを外した後
エンジンにつながっている電気系のケーブルと、冷却水のホースを外し
ラジエターを外す。
ドライブチェーンを弛ませ、フロントスプロケットを外し、エンジンからチェーンを外す。
MAGNA同様に、エンジンとフレームを固定しているボルトを抜くと、 エンジンは外れます。
このときエンジンを落とさないように
クレーンで吊るか、屈強な男に持ってもらいましょう。
エンジンは下に降ろす様にして外します。
エンジンを下ろした後、タンクとシートをつけたSPADA
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エンジン載せ
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▼ 載せる ▼
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SPADAのエンジンをクレーンで吊るし、マグナの車体へと近づける。
車体右側からエンジンを捻るようにしてフレームの内側へ入れる。
(クレーンが無い場合は、体を鍛えてから、人力でやりましょう)
フレームとエンジンの隙間を埋めるカラーはMAGNAのものを使用し
ボルトはSPADAのものを使用する。
クレーンを使って、SPADAのエンジンをMAGNAの車体へ
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▼ パルスジェネレータ
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電気系のケーブルをつなぐが
パルスジェネレータから出てくるケーブルが
MAGNAとSPADAでは違った。
そこで
クランクケースカバーを開ける。
中のパルスジェネレータがSPADAは2個でMAGNAは1個であった。
これを丸ごと取り替えて
さらに、スタータークラッチも丸ごと入れ替えた。
カバーとの接合面にシーリングをしてから、カバーを取りつける。
左がSPADAの状態、右がMAGNAの物を組み込んだ状態。
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▼ ブリーザーホース ▼
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ラジエータを取りつけブリーザーホースをつける。
MAGNAのエンジンとSPADAのエンジンの異なるもう一つの箇所が
左側下部のブリーザーホースである。
MAGNAはエンジンから直接ホースが出ているが
SPADAは金属製のパイプが伸びており、途中でゴム製のホースと連結している。
そこで、MAGNAのホースを途中で切断し
金属製のパイプに接続することになるが、SPADAとMAGNAのゴム製のホースの径が違うので
(SPADAの方が太い)
無理やり、MAGNAのホースを広げて接続する。
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▼ 確認
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全ての電源ケーブル、ブリーザーホースが接続されているか
もう一度確認をし
バッテリーのケーブルをつなぎ、イグニッションキーを取りつける。 |
▼ 組み上げ ▼
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(MAGNAの)キャブレターを載せ
クラッチケーブル、アクセルワイヤー、エアチャンバーの上部カバー、エアクリーナーを付け
エンジンオイル、クーラント液を適量入れる。
タンクを載せ、スピードメーターを付け、シート、エアクリーナカバーを付ければ終了。
(この行程は、基本的にエンジンを下ろす行程の逆の手順で進める。)
キャブレターを載せ、インシュレーターのバンドを締める。
キャブレターをインシュレーターにはめる時は
インシュレーターの内側にCRC等を吹きつけ滑りやすくしておく。
ほぼ組み上がった状態 完成
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このようにして、無事エンジンの載せ換えは出来た。
サクラの場合は、この後、ワンオフのマフラーを作成し取りつけたため
MAGNAのマフラーが、そのままSPADAのエンジンに付くかは確認していません。
MAGANAとSPADAのエンジンの
共通点は、フレームとのマウント位置、ボルト
キャブレターのマニホールド径(=インシュレーター形状)であり
相違点は、ブリーザーホース、パルスジェネレーター
吸気・排気ポートの形状、エキパイの径であった。
さて、エンジンを載せ換えただけでは
エンジンのまともなパワーを引き出すことは出来るはずも無く
次に、キャブセッティングをしなければいけない。 <GO NEXT>
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