● Reports ●
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10/30(土)
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MAG'S PARTYのメンバーからガレージセールに行かないかとお誘いを受けた。 しかも前夜祭からのお誘い。 前夜祭の会場は右京さんの自宅。なんとお寺だそうだ。 以前天理教の友人宅で飲んだ時、100畳はあろうかという祭壇前の広間で、 石油ストーブ一台を皆で囲んで震えながら語ったのを思い出して身震いした。 その場で友人の1人から「中学時代、お前が好きだった。」と告白されたのを思い出し、震えは悪寒へと悪化した。 なにはともあれ、僕は過去を断ち切る為にこの挑戦を受ける事にした。 待ち合わせ場所の南大沢駅でまさきちに連絡を入れる。 すると間もなく、喘息のジャイアンのようなエキゾーストが聞こえてきた。 さくらさんにマフラーを交換してもらったまさきちに違いない。 やがて僕の目の前に、黒と銀、2台のマグナが現れた。 黒のマグナはは右京さんだ。 まさきちは最近幸せぶとりが急激に進行している。 一方で右京さんは痩せててどこか「体の弱いキアヌ・リーブス」を思わせる。 いや、マジでかっこいいのだ。 サングラスをかけた時のワイルドさ、そしてほっておくとそのまま永眠してしまいそうな危うさを併せ持っている。 眼鏡を外した時のおまぬけさ、ほっておくとそのまま勝手に飲み食いしてそうなまさきちとは対照的だ。 早速2台のマグナについてお寺へ向かう。 「隙間風の入って来る辛気臭いお堂で飲むのはイヤダナー」と思っていた僕は、 右京さんのお寺を見て度肝を抜かれる。
バブル八王子に再来!!
でかい!でかすぎる! 山の上にそびえ立つのは、伝統的な技法を取り入れた近代的な建築物。 舎利塔のようなものもある。 ぐるりと一周して門からバイクを入れる。 なんか罰当たりな気分だ。 すでにそこにはワルそうなマグナが並んでいて、宴が始まっている事を知る。 僕らの排気音を聞いてか、むこうから黒子が迎えに来た。 黒子・・・いや、まさきちの奥さんのミーさんだ! ミーさんは興奮しているらしく、何事かをわめいている。 僕は冷静にポケットから「ホンヤクコンニャク」を取り出すと、一口ほおばって彼女の話しを聞いた。 が、何を言っているのかまだ分からないので、得意のズッコケアクション連発でその場をしのいだ。 ゴメン、ミーさん。僕はその場を適当にしのげる悪い大人なんだ。 今回のガレージセールで、 彼女にとって…いや、人として大切な部品が見つかる事をひそかに祈ったのは言うまでもない。
奥に入ると賑やかに歓談する声が聞こえた。 どうやらバーベキューをしているようだ。 右京さんの御家族と思しき人達もいる。 その時何かが飛んできた! 僕は素早く身をかわして事無きを得たが、まさきちはそれをよけきれず、その場に倒れると死んでしまった。 僕は何かが飛んできた方向を見た。 そこには八王子一のワル、jyun君が殺人目線をバチバチさせていた。 まさきちは目線をもろに食らったのだ。 しかし次の瞬間、まさきちは奇跡的に生き返った。 驚いた僕が辺りを見回すと、 そこには「綺麗なお姉さん」こと瑠璃さんが座って「お姉さんフェロモン」を撒き散らしていた。 まさきちはフェロモンを吸収して蘇生したのだ。 そんなまさきちのほっぺたはツヤツヤしていたし、僕はドキドキしていたし、jyun君はイライラしていた。 その横ではさくらさんがこっそりムラムラしていたのも仕方の無い事だ。
バーベキューは賑やかだった。 右京さんの御家族と、御弟子さん達はよく話した。 特にお父さんは楽しい方で、右京さんの過去やプライバシーをぶっちゃけてくれた。 右京さんの口数が少なかったのは気のせいだろう。 肉を頬張り、酒を飲むその姿を見たまさきちが「生臭ボウズ」と言っていたのはナイショである。 いや、ホント良い方達ばかりだった。右京さんは幸せ者だ。
肉も無くなり、雨も降ってきたので、御家族の方々にお礼を言って僕らは二次会へ突入した。 檀家さん達が休憩するような広い和室には、酒や食べ物が山積みになっていた。 ここで御弟子さんの真如さんも二次会に参加してきた。 真如さんは面白い方で、ひたすらに話し続けていた。 そのマシンガントークで、初めにjyun君が血祭りにあげられた。 次にサクラさんが標的になった。 ここでサクラさんはうかつにも、本日のNGワード「創○学○」を口にしてしまう。 その後はサクラさん、死ぬ暇も無いほどに銃弾を撃ち込まれて行った。 時にこちらを見て助けを求めるサクラさん。 僕らはにっこりと微笑み、精一杯のエールを送るのであった。 ゴメン、サクラさん。僕は瑠璃さんとのトークが楽しかったんだよー。 だってあの時、僕には瑠璃さんしか見えてなかったけど、真如さんにはサクラさんしか見えてないし、瑠璃さんのフェロモンに僕はメロメロで、真如さんのトークにサクラさんはフラフラで、瑠璃さんは上目遣いで僕を見るけど真如さんは充血した目でサクラさんに訴えかけていたし、僕には瑠璃さんもjyun君もまさきちもミーさんも右京さんもいたけど、真如さんにはサクラさんしかいなかったからさー!
やがて宴も終わり、皆寝静まった。 僕はスミノフをラッパ飲みしたのが徐々に効き始め、瑠璃さんの大人フェロモンも手伝ったのか、 独り淫靡な夢世界へと旅立った。 淫靡な夢の中で僕は美女と戯れ、○#%×を△◆したり、ξがΘ(*_*)だったりしたが(自主規制)、突然後ろから誰かに追われる気配を察した。振り向くと真如さんが100人ほど、猫を抱えて追いかけてくるではないか!その後ろからはjyun君も殺人目線を発射しながら迫ってくる。僕は死にもの狂いで逃げた。だが思うように手足が動かない。100人の足音が迫ってくる。もう駄目だ!後ろを振り向くと同時に僕は100人の真如さんに押しつぶされて死んでしまった。 |
10/31(日)
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「かっ、母さん!!」(ガンダム風)
叫んだ僕はいきなり現実の世界へと引き戻された。 夢を見ていたのだ。足音に聞こえたのは朝のお勤めの木魚の音であった。 ふと横を見ると、jyun君の顔がすぐそこにあって驚いた。 いつのまにか僕らは「ラブラブカップル」状態で寝ていたのだ。 僕はちょとドキドキしながら周りを見た。 どうやらサクラさんは精神的に死んでしまったようで、お経と共に鼻の穴から白い物体が出て行くところだった。 僕はあわててその物体を鼻に押し込んでおいた。 瑠璃さんは今日のメンバーにいない、知らない誰かの名前を必死に呼んでいる。 瑠璃さんダイジョウブ、タカシさんならきっと今頃どこかの誰かとラブラブだから。
やがて皆ごそごそと起きだした。 いよいよガレージセールに向かう訳だが、とっくに会場時間を過ぎているところが流石アメリカン乗りだ。 バイクにまたがってもなかなか走り出さない。 何故なら瑠璃さんが昨夜の3倍くらいに膨れた鞄を、無理矢理マグナに積もうとしていたから。 僕も積むのを手伝おうとしたら、鞄から黄金の琉遮那仏が転げ落ちたのでびっくり。 瑠璃さんを見たら「黙ってろ!」と目で訴えてきたので僕は仏像をこっそり瑠璃さんの鞄に戻しておいた。 右京さんゴメン。
やっとこさ出発。 爆音を立てて走るマグナ。 僕はおまわりさんの影に怯えながらこっそりとついて行った。 やがて会場(多摩テック)に着いた。 既にタンク抱えたり前輪を転がしながら意気揚々と帰って来る人達がいる。 しまった、寝過ごしたか。 しかしもともとSR(私はマグナ乗りではナイ)関係の部品は殆ど無いようで、 事故車から取り外したと思われる部品を数点見かけたに過ぎなかった。 部品が無けりゃ雑貨を!とばかりに辺りを見回すと、皮ジャンを売っているテントを発見。 すかさずチェックすると、中では既にまさきちと瑠璃さんが試着をしていた。 僕も負けじとオレンジのラインが入ったシングルのライダースを試着。 中々カッコイイ。しかも安い!ナント一万円!! 金欠だったが、ここは補正予算案を緊急閣議で可決せざるを得なかった。 ダイジョウブ。 僕にはVISAやDCや マルイといった一流企業がついている。 彼等はいつだって僕の味方さ。きっと…。 僕らはまとめ買いをしてちょっぴり割引してもらった。 瑠璃さんのハーフコートは上品でカッコ良かった。 まさきちの皮ジャンは…まぁそれなりだった。
会場に戻ると、右京さんは狙い通り3pアップをゲットしていた。 jyun君は店のオヤジを睨み付けてサイドカバーを強引に値引きしてもらっていた。 ミーさんも頭に地球外の金属を埋め込まれていた。ちょっと言語が明瞭になったようだ。 皆欲しいものは手に入れて、缶ジュースを飲んで歓談していた。 僕もジュースを買って「転げ落ちる缶ジュースを必死に拾うヤング」の芸を披露したところ、 勢い余って本気で転倒。 誰も見ていなかったが、あの時ジーンズが破れ、17年ぶりに膝っ小僧を擦りむいた。小僧は半ベソかいていた。
さてさて、僕らは会場を後にし早速パーツを取り付ける為にサクラさん宅に向かう。 途中八王子でラーメンを食す。 これが絶品。マジ美味い。 また行きたいのだが場所がちょっと難しいのが残念。
いよいよ取り付け。 サクラさんが慣れた感じで右京さんのバイクをジャッキアップ。 サクサクと取り付けを終える。 3pお尻が上がった訳だが、これがかなりグラマラスな雰囲気でグッド。 パワフルなイメージとなる。 あとはウィンカーの交換でバッチリだね。 jyun君もパーツはすぐに装着。 しかしウィンカー配線のメンテでてこずっていた。 ここでもジャッキが大活躍。 車高の低いアメリカンだとこれは必需品。
僕のSRのキック大会やらタンデム大会で子供のようにはしゃぐうちに日が傾いてくる。 八王子のローカルな風景と相俟って、僕の心は少しノスタルジックになっていた。 子供の頃、公園で夕方のチャイムが鳴り、友達と別れて家路につかねばならなかった時の心情を思い出す。 ただ、あの時は家に帰れば母が作ってくれる夕食の匂いに出迎えられたが、 社会人になった今、僕を迎えるのは酒の匂いと野郎の体臭が染み付いた小汚い部屋である。
誰にも見られないようにこっそり涙と鼻水を拭って、僕らは帰路に就いた。 楽しい時間は過ぎるのも速い。 みんなでお疲れの挨拶を済ませると、jyun君はあっという間に去って行った。 僕とまさきち、ミーさん、右京さん、瑠璃さんは16号に出た。 最後の挨拶を瑠璃さんにしなければならない。 彼女は北の国の人なのだ。 よーし、ここは一発ニヒル(死語)な笑顔をキメてラッキーストライクのおじさんばりの渋いアクションを見せなければ!! と思う間もなく、瑠璃さんは信号を僕らとは逆方向に曲がって帰って行ってしまった。 僕は作りかけの笑顔を隣のトラックの運ちゃんにサービスしておいて、こっそりむせび泣くのであった。
実に楽しくてオバカな二日間だった。 SR乗りの僕を快く(?)迎えてくれた皆さんに感謝したい。 これからも機会が有れば必ず参加しようと思う。 長くなってしまったが今日はこの辺で筆を置こう。 右京さん、サクラさん、jyun君、 瑠璃さん、まさきち、ミーさん、あと真如さん、右京さんの御家族の方、多謝!! |
「このレポート内に登場する人物、物は実在の物とは関係ありません」ことを祈ります。
文責 SUGI